聖しこの夜、君と2人で
そこにいたのは、ベッドに横になって、たくさんの管が繋がれた燈真だった。
「え…ちょ、は??意味わかんないよ」
「雪帆、燈真ね」
嫌だ。
「白血病なの」
……え??
「はっけつ…びょう??」
「雪ちゃんは、白血病って…知ってる??」
「名前だけなら…」
「だよね。うちも知らなかった」
「俺もあんまり知らないんだけどさ」
そう言って、眉間にシワを寄せながらはーちゃんが色々と説明してくれた。
「今日、手術日予定だったんだ」
「手術??」
「そう。白血病って血液の病気らしくて、ドナーの骨髄を移植しなきゃいけないみたいで…ずっと待ってたドナーがやっと見つかったんだって」
「でもあたし、そんなの一言も言われてなかった」
「だろーね。燈真の事だもん…雪帆を心配させたくなかったんじゃない??」
「…こんな形で知る方が心配するもん……」
白血病??
ドナー??
骨髄移植??
何一つ、燈真は言ってくれなかった。