聖しこの夜、君と2人で

“やっと雪帆笑った”

“辛そうな顔じゃなくて笑顔なんじゃない??”


「燈真、そうなの…??」


震える声を抑えて、溢れそうな涙を堪えて、静かに燈真にそう聞いた。

管に繋がれてベッドに横になってる燈真から返事が返ってくるはずないんだけど、燈真の気持ち…あたしには伝わったよ。


「はーちゃん、亜子、ありがとう。あたし…ちゃんと笑うよ」


燈真が目を覚まして、手術が成功して、燈真が元気になるまで…。

それまであたしは笑うよ。

もう、泣かない。弱虫のあたしはもういない。


「さすがウチの親友♪」

「さすが俺の親友の彼女♪」

「ぶふっ!!はーちゃんウケる!!!!」


今はまだ、無理矢理作った笑顔だけど。

貼り付けただけの、堅い笑顔だけど。


ゆっくりだとしても、必ず毎日笑顔でいられるように頑張るから。


だから、燈真も約束して…??


「「早く風邪治せ馬鹿」」


馬鹿燈真。お願いだから、早く手術受けられる身体になって…!!



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