聖しこの夜、君と2人で
カチッと時計の針が11時を指した。
本来なら、とっくに面会時間は過ぎてる。
なのにここにいられる理由…それぐらいわかってる。
それだけ燈真は危険な状態なんでしょ??
「どうしてあたしじゃないのかな」
どうしてあたしじゃなくて、燈真が苦しまなくちゃいけないの??
そんな時、病室のドアがノックされて、1人の看護師さんが姿を現した。
「あら、まだ残ってたのね??」
「…!!!!!!」
「??どうかしたの??」
「いっ、いえ!!何でもないです!!」
あたしの前に現れたのは、はーちゃんが見せてきた写真に写っていた綺麗な女の人そのものだった。
看護師さん…だったんだ。
そっと燈真へ視線を移すと、看護師さんは優しいトーンであたしに話しかけてきた。
「燈真くんね、暇さえあればあなたの話ばっかりしてたのよ」
「あたしの…??」
「ええ。“雪帆の面倒は俺じゃなきゃ見れない”っていつも言ってたわ」
「……。」
燈真がそんな事考えてたなんて。