聖しこの夜、君と2人で
看護師さんが出ていってから、あたしは重い身体を持ち上げて、窓の方へ向かった。
「わ…月綺麗……」
窓から見えた月はくっきりとしていて、辺りを煌煌と照らしていた。
“サンタさんにお願いしてみたらどう??”
“サンタさんを信じるいい子には必ず幸せが訪れるんだから”
「お願い…ダメ元でしようかな」
子供っぽいってわかってる。
でも今は藁にもすがりたいぐらいなの。
「サンタさんお願いします」
こんなにも燈真が愛しいと想ったのは
「燈真を目覚めさせてください」
今日が初めてでした。
「燈真の病気を治してください…!!」
燈真が好きです。大好きです。
「お願いします…!!!!」
燈真
お願いだから目を覚まして。
また元気な燈真の笑顔が見たいよ。
あたし泣かないから
「お願いします…お願いします……!!!!」
だから燈真
「サンタさん…燈真を助けて……」
早く元気になってよ…。