男のなかのオトコ
ーーーーーーっ
ん?
痛く…ない?
少しずつ目を開いた。
「なんで…」
風になびく茶色の髪
のびている敵を片手で掴んでいる陸が立っていた。
「なんで陸がい『ゴツン』
最後まで言い終えるまえに陸の拳が私の頭に飛んできた。
「っ!痛ってぇぇぇ!!!何すんだよ!」
「何すんだよじゃねぇよ!!!馬鹿かおまえは!!!
いくら強たって危ねぇだろ!!!少しは俺達に頼れよ、迷惑かけるとかそんなのいちいち考えんなよ!」
「……陸」
「いいとこばっかりもっていかないでよ陸!」
私は目を見開いた。
「優……想……」
「春、俺達仲間なんだから」
「………面倒くさいこと…考えんな……」
「…………っ」
この人達は心から優しい人なんだ。
いくら私が避けたって嫌わず、逆に私の心の奥の気持ちを汲み取ってくれた……
クソックソックソッ
「なんで…なんでだよ!!!」
「「「………。」」」
「なんでそんなに良い人なんだよ!!!俺が避けてた意味ねぇじゃん…嫌ってくれたほうが………もっと一緒にいたいとか思わなかったのに………」
「…嫌いになるわけねぇよ」
「春は馬鹿だねぇ、俺達は避けられるぐらいじゃ心は折れないよ(笑)」
「………嫌いになれない……」
「…………クッ」
ほんとに馬鹿な人達だ…だけど…
「俺はほんとに幸せ者だな」