幸せになりたい女
美久は「うん。絶対にね」とハートマークをつけて返信した。ほんとは今すぐ会いたい。さっきバイバイしたばっかりなのに勝久くんに会いたい!
不思議・・。卓ちゃんのことだと泣けないのに、勝久くんに会いたいって思ったら泣けてきた。このまま勝久くんとの未来だけを考えて眠りたい・・
ほんとに美久は眠れた。
次の日も卓ちゃんの携帯はつながらなかった。美久は残ってる卓ちゃんの荷物とか合鍵のこととかメールに書いて送った。返事を待つ間はすごく長くて、とてもじゃないけど仕事に集中できるとは思えなくて休んだ。でもすぐ後悔。一日中卓ちゃんのいない部屋で過ごすのは地獄だった。胃の痛みは寝ても起きても治まらない。卓ちゃんの番号をリダイヤルするたびに胃がキリキリと音を立てる。常備している睡眠薬で無理やり体をベッドに押し込んで、やっと夕方になった。
もう何にもしないほうがいい・・何にもできない・・
でも勝手に手が携帯のボタンを操作する。もう無意識。
ホントにだれか・・だれか・・
『美久、どうしたの?』
「・・弘子・・」
また弘子に電話してしまった。弘子に電話したってしょうがないのに・・卓ちゃんとつながってる誰かは弘子しかいない・・。
『もしかして、まだ卓帰ってないの?』
「・・うん・・」
『連絡は? 携帯にはかけたの?』
「・・うん・・つながらない・・」
当たり前のこと聞く。そんな会話したいわけじゃないのに・・。
『分かった。他の飲み仲間に聞いてあげるよ。ちょっと待ってて』
電話はすぐ切れた。電話が切れて・・五分・・十分・・遅い・・。
はやく・・!
携帯が光った。心臓がドクンって音を立てた。
『ごめん。誰にもつながらなかった』
「・・」
『大丈夫だよ。またどっかでフラフラ飲んでるんだよ』
「・・」
『・・ごめん・・今、仕事中だから』
「・・」
『・・あと一時間くらいで仕事終わるから、家にいってあげるよ。待ってて』
「・・いい・・迷惑でしょ?」
『いや、いいよ。心配だし』
「・・いい・・一人でいたい」
『そう、分かった』
電話はすぐ切れた。電話を切ったら弘子でもいいからやっぱりだれかそばにいてもらえばよかった。また胃が痛くなって、弘子に思わずメールしてしまう。
《胃が痛い・・苦しいよ。やっぱりダメかもしれない》
返信は今までにないくらい早く来た。
《大丈夫? 薬とかは?》
薬で治るわけがない。なんて間抜けな答え。弘子って、なんかズレる。メールは続けてきた。
《やっぱり家に行くよ》
美久はまた大丈夫だからと断った。そんなの望んでない・・じゃあ、自分は何を望んでるの?
不思議・・。卓ちゃんのことだと泣けないのに、勝久くんに会いたいって思ったら泣けてきた。このまま勝久くんとの未来だけを考えて眠りたい・・
ほんとに美久は眠れた。
次の日も卓ちゃんの携帯はつながらなかった。美久は残ってる卓ちゃんの荷物とか合鍵のこととかメールに書いて送った。返事を待つ間はすごく長くて、とてもじゃないけど仕事に集中できるとは思えなくて休んだ。でもすぐ後悔。一日中卓ちゃんのいない部屋で過ごすのは地獄だった。胃の痛みは寝ても起きても治まらない。卓ちゃんの番号をリダイヤルするたびに胃がキリキリと音を立てる。常備している睡眠薬で無理やり体をベッドに押し込んで、やっと夕方になった。
もう何にもしないほうがいい・・何にもできない・・
でも勝手に手が携帯のボタンを操作する。もう無意識。
ホントにだれか・・だれか・・
『美久、どうしたの?』
「・・弘子・・」
また弘子に電話してしまった。弘子に電話したってしょうがないのに・・卓ちゃんとつながってる誰かは弘子しかいない・・。
『もしかして、まだ卓帰ってないの?』
「・・うん・・」
『連絡は? 携帯にはかけたの?』
「・・うん・・つながらない・・」
当たり前のこと聞く。そんな会話したいわけじゃないのに・・。
『分かった。他の飲み仲間に聞いてあげるよ。ちょっと待ってて』
電話はすぐ切れた。電話が切れて・・五分・・十分・・遅い・・。
はやく・・!
携帯が光った。心臓がドクンって音を立てた。
『ごめん。誰にもつながらなかった』
「・・」
『大丈夫だよ。またどっかでフラフラ飲んでるんだよ』
「・・」
『・・ごめん・・今、仕事中だから』
「・・」
『・・あと一時間くらいで仕事終わるから、家にいってあげるよ。待ってて』
「・・いい・・迷惑でしょ?」
『いや、いいよ。心配だし』
「・・いい・・一人でいたい」
『そう、分かった』
電話はすぐ切れた。電話を切ったら弘子でもいいからやっぱりだれかそばにいてもらえばよかった。また胃が痛くなって、弘子に思わずメールしてしまう。
《胃が痛い・・苦しいよ。やっぱりダメかもしれない》
返信は今までにないくらい早く来た。
《大丈夫? 薬とかは?》
薬で治るわけがない。なんて間抜けな答え。弘子って、なんかズレる。メールは続けてきた。
《やっぱり家に行くよ》
美久はまた大丈夫だからと断った。そんなの望んでない・・じゃあ、自分は何を望んでるの?