幸せになりたい女

　―えへへ。・・でもね、最近うまくいってないんだ・・―　　

　―そうなのか？―　　

　―うん。なんかね、たぶん・・浮気してるかも―　　

　―またか？　ほんと男運ねぇなぁ～―　　

　―だってぇ・・美久だって幸せになりたいって思って頑張ってて・・いつもこの人が最後の恋だって本気で頑張ってて・・―　　

　―ごめん！　泣くなって！―　　

　―だってぇ～―　　

　―大丈夫だって！―　　

　―大丈夫ってなにがぁ？　大丈夫じゃないもん～―　　

　―大丈夫だよ。三十過ぎても美久が一人だったらオレがもらってやるからさぁ―　　
　―え～？　友樹と結婚するってこと？―　　

　―なんだよ。ヤなのかよ―　　

　―べつにぃ・・大親友もおばさんになっちゃえば、男に見えるもんかなぁって思って―　　

　―ひでぇな。せっかく人がもらってやるって言ってんのに。美久の得意の嘘泣きかよ！―　　

　―嘘泣きじゃないよぉだ。でもホントにもらってくれるの？―　　

　―あぁ、お互い一人だったら、美久と一生一緒にいるのもいいかなと思う―　　

　―いいね、それ！　賛成！―　　

　―お互い一人だったらな！―　　

　―そんな強調しなくってもぉ・・友樹はかおりちゃんのこと大事にしてるからねぇ。そういう真っ直ぐで誠実なとこが友樹のいいとこだよ―　　

　―サンキュ―　　

　―でもホントに約束だからね！―　　

　―わかった！　約束だ―