幸せになりたい女
 ふざけて言ってただけだから、今まで少しも思い出さなかった思い出が、鮮明な記憶としてよみがえってきた。
「・・あれ、本気だったんだ」
「ああ・・オレはな・・」
「・・」
「・・結婚しよか?」
「・・しちゃおうか?」
「おう!」
「うん!」
「久しぶりに会うか?」
「うん!」
「大阪来れるか?」
「行く!」
「おう!」
「今週末に行く!」
「即効だな!」
「うん!」
「待っとるで!」
 電話を切った後は、胸がトキメキでピンク色に染まっていた。ほっこりした気分。
 美久はやっと分かったのかもしれない・・美久を幸せにしてくれる運命の人はずっと前に出会っていたんだ。

 美久の頭の中には、もう卓ちゃんのことも、幼なじみの女のことも、メールの女のことも、勝久くんのことも、なんとか共和国のことも、冷たい弘子のことも、ぜぇんぶなくなってた。
 大阪といえば粉もんだよね! あ、あとキャリーバック、新しいの買っちゃおう!

 楽しいことで頭がいっぱいだ。やっぱり美久は幸せになれるんだ!

 ウキウキしながら中央線に乗り込んだ。
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