あなたの牙で潤して

そう言って私の頬に手を添えた。
びくっとしたと同時に車が止まった。

「帝牙様、到着しました」

「ああ…。…タイミング悪いんだよ柏木!!」

そそくさと車から出てタキシードに包まれた柏木という人につかみかかる。

「も、申し訳ありません」

「ちょっと!暴力はいけないわよ、先輩。」

私が車から出て言うと、先輩はつかみかかっていた手を離して、今度は私の手を掴んだ。

「部屋、案内、する」

なんで急に片言なの??

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