‡仮想リアル‡


「んじゃ朔!俺達こっちだから、登録しろよ♪」

「へいへい」

「じゃあな!」

瑞樹とりょうと別れると俺は亜稀羅と二人っきりになった

「……。」

「……。」


沈黙が続く
何故か今日は亜稀羅が喋らない


いつもならまるでマシンガンの如く喋るのに……

そう言えば、さっきも全然喋ってなかったなぁ

「なぁ?亜稀」

「駄目……」

俺はさっき喋らなかった事を聞こうとした
が、その前に亜稀羅は俺の言葉を遮った


駄目って何だ……?



俺は首を傾げる
亜稀羅はガバッと顔を上げ俺を見上げる

「駄目だよ!!朔夜あのサイトに参加しちゃ!」

亜稀羅は必死の形相で言った
今までにこんなに不安そうで泣きそうな亜稀羅を俺は見たことがない


「亜稀羅…」

「絶対駄目だよ!朔夜だけは…朔夜だけは…巻き込みたく……」

「亜稀羅?」

ハッと我に返ったのか、亜稀羅は一瞬焦ったような表情をしたように見えた
が、すぐにいつもの亜稀羅の表情に戻った



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