‡仮想リアル‡
天然嬢と飴玉と…
*────────…
「蓮(レン)ちゃーん!」
遠くの方で私を呼ぶ声が響いた
廊下だから良く響く
何人かの人が私を見る
何か恥ずいなぁ…
私が声のした方に振り向くと、彼女は私の元へ小走りに走ってきた
手に大量のプリントを持ちながら
「大丈夫??」
「大丈夫だよ!蓮ちゃん?泉 優希(イズミユキ)さんと波(ナミ)ちゃん知らない??」
彼女は息を弾ませながら私に聞いてきた
今にもプリントが落ちそうだ
「うーん。ごめんね見てないなぁ」
「そっかぁ…困ったなぁ」
と、彼女は本当に困ってるようだ
「…私も探そうかぁ?」
「本当に!?」
彼女は綺麗な水色の瞳を輝かせながら聞き返してきた
「もち!私に任せな♪」
「ありがとう!」
そう言うと同時にプリントが舞い上がった
「きゃあ!?」
「百合亜…!?」
私こと火橋 蓮(カバシレン)と彼女…雪白 百合亜(ユキシロユリア)は慌てて拾い始めた
百合亜は踏まないでーと叫びながら拾っている
百合亜…大丈夫。みんな踏まないってちゃんと避けてるよ……
とか言いたいけど面白いからこのまま見てよう
プリントを拾いながら私は微笑ましく忍び笑いをしていた