‡仮想リアル‡
「たく、百合亜はまた…」
「ごめんなさーい」
そう今にも泣きそうな百合亜
否、そこまで落ち込まなくても……
と思いながら近くに散らばったプリントを拾うと百合亜に渡す
百合亜が集めたの合わせてちゃんと全部あるかな…
「ありがとう!あっ…」
百合亜は私にペコッと頭を下げるとまた一枚プリントが落ちた
「ああ、また……」
「ごめんなさーい」
「まぁまぁ、謝んないの」
そう百合亜を宥めてから落ちたプリントを拾おうとしたが、それは先に誰かの手によって拾われた
「はい…これ貴方の?」
「あ…うん。ありがとう」
「どう致しまして」
そう言うと彼女はスッと歩いて行く
私は百合亜にプリントを渡す
ん…?今の人って……
「ちょっと待てよ!」
あ、ヤバっ
「……何?」
少女はあからさまに不機嫌な顔で後ろに振り向いた
あちゃ、やっちゃったー
どうしよ……
「否…ごめんね。貴方って」
「泉 優希さんだよね!」
百合亜が瞳を輝かせながら泉さんに駆け寄る
あっ、やっぱり泉さんかぁ
何て、思いながらも私も百合亜の後に着いていった