‡仮想リアル‡

「それで……何かご用?」

落ち着いた口調で優希は問う

「あのね、先生が呼んでたよ?今回の学年代表の…」

「パス」

「へっ?」

百合亜が言い終わる前に優希は言う
百合亜は驚いた顔をし、私は思わず変な声を出してしまった

「……言っといて、面倒だからって」

「でも……」

百合亜が何か言いたげな表情をすると優希はふぅと息を吐いた

「『先生?私の言うこと聞かないと取り憑かれますよ』って言えば大丈夫だから」

「ちょっ!それ脅しじゃ…」

私がいいかけた言葉に優希は有無を言わさないと言ったような目を向けてきた

この人を敵に回してはいけない

私は野生の勘というやつでそう感じた

「そっかぁ♪なるほどぉ」

百合亜は感心しながら優希を見た
その瞳は羨望の眼差しといような…

百合亜…アンタがある意味羨ましいよ……


「それで…話しは終わり?」

「う、うん!」

「そう…」

優希は「じゃあ」と言うとクルッと回れ右をすると歩き始めた

何か…なぁ……

「ま、待って!?」

「百合亜?」

百合亜が優希を呼び止める
優希は振り向くとまだ何か?と聞いてきた

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