‡仮想リアル‡
仮想リアルって…
「あの噂の『美野社』主催のゲームサイト?」
「そう…良く知ってるわね」
否そりゃあね…
私は黒板に文字を書いてる先生を見てから優希に視線を戻した
「最近じゃ殆んどの人が知ってるだろ」
波が口を挟む
私も頷くと百合亜を見た
百合亜は真面目に黒板の字を写していた
「…貴方はやってるの?」
「えっ?否、やってないけど」
「やらないの?」
「うーん、登録するのが面倒じゃない?」
ほら質問項目埋めるのとか……ぶっちゃけ、面倒なんだよね
「まぁ、面倒だけど、質問何て最初やるだけで後は楽よ?」
「まぁそうなんだけどね……」
「『じゃあ、アタシの家でやろうよ』って百合亜ちゃんから♪」
渋る私を制するように波は手紙を見せてきた
どうやら百合亜から回ってきたものらしい
百合亜を見ると私達に微笑してから直ぐに前をむいた
待てよ?百合亜に声が聞こえてたって事はだ……
私は慌てて前をむく
先生が此方を睨んでいるのがわかったからだ
私は二人に「後でね」と合図を送ると、黒板に書かれる謎の数式をノートに書き留め始めた