‡仮想リアル‡
とある人との出逢い
*──────……
俺こと霜月 朔夜は溜め息を吐いた
因みに本日3回目の溜め息である
何故、俺が今溜め息を吐いたかと言うのも……
俺はチラッと隣で呆けている青春お馬鹿野郎こと前河 瑞樹を見る
瑞樹はボーッと焦点があっていないにも関わらず、シューティングゲームでさっきからシュートを何本も決めている
ある意味、神業……そして、変な意味で怖い
「あの瑞樹さん……?」
「ああ、鬱だ氏のう」
「そのネタを使うなッ!!」
ネット用語だろうが!
俺はまた溜め息を吐いた
そう、瑞樹はさっきからこの調子なのだ
と言うのも学校である女にガンスルーを喰らったからなのだろうが……
俺達はその後直ぐに此所に来たわけだ
此所と言うのは駅の近くにある巨大なゲームセンターだ
『美野社』提供の『仮想現実』専用スペースがある場所なわけで
まぁ、何ともマニアには嬉しい場所だ
しかもかなりの人気で『仮想現実』のゲーム機は全台埋まっている
だから、こうして違うゲームで遊びつつ俺達は空くのを待ってるわけ何だが……