‡仮想リアル‡

「ああ、人生終わった……」

そう呟く瑞樹のシューティングゲームの結果は1位だった
瑞樹のこのテンションとは全く逆の好成績

コイツのこのテンション何とかならないわけ?

これじゃあ、このシューティングゲームで頑張って1位取ってた人に申し訳ないだろう

「おい、瑞樹」

「なぁ、朔……アイツはどうして俺をフらねぇのかな?」

俺の呼び掛けに答えるわけではなく瑞樹はそう問い掛けてきた

アイツとは恐らく泉 優希の事だろう
フらないのかって言われてもねぇ…

少なくとも中学から泉を見てきてこんな現象は無かった気がする

そう……捕るだけ捕って『付き合ってる?誰と』と言う風にその気にさせた奴の気持ちを無下にしてきた奴だ

つまり、俺の泉の印象は関わりたくない奴、危険人物なわけで……

「おーい……」

でも、何故だか関わってしまう奴で……

「おーい、朔さっきの聞いてたんかよ?」

思考の歯止めを掛けるように瑞樹は渋い顔で聞いてきた

「ああ、悪い……で?さっきの話だよな」

そう言う俺にそうそうと頷く瑞樹は段々といつも通りに戻りつつあるようだった

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