‡仮想リアル‡
「んーっと、俺から見たら少なくとも嫌いでは無いだろうよ」
俺は素直にそう言った
まぁ、嘘付く必要ないし、つかハッキリ言ってテンション低い瑞樹は不気味過ぎるし
そんな微妙な気持ちの言葉に瑞樹は瞳を輝かせ、同時に俺の肩をガシッと掴んだ
「そうかなっ?そうだよなっ?」
某漫画のキャラのような口調で詰め寄る瑞樹
「あぁ…………………………多分」
俺は"多分"を聞こえないくらい小さく言った
つか、顔近くね?
「そうかーそうだよなぁ♪」
どうやら瑞樹は"多分"と言ったのを聞いていなかったらしく、俺から離れると上機嫌で
「あっ♪俺、金崩してくるわ〜」
と言って手をヒラヒラさせながら両替機に行ってしまった
「なんたる単純……」
俺は瑞樹を見送りながらそう呟く
でも……たまにそういう単純思考が羨ましくなるよ
俺はシューティングゲームの隣にある自販機に千円を入れ、ボタンを押した
ガタンと音がすると同時に俺は小銭をポケットに入れると下から出てきたお茶を取り、一口飲む
口の中にお茶独特の苦味が広がっていく
やっぱりお茶は緑茶だよなぁ〜