溺愛彼氏×ドジな彼女
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「…ゴメンね…」
そう言って、俺は教室をあとにした。
廊下を歩く途中、担任とあったけど体調不良と言ってその場から逃れた。
「はぁ…」
溜息をつきながら、家へ帰る途中にある公園のベンチへ腰かける。
座りながら、思い出すのは莉音の泣き出しそうな表情とあの時の望の言葉。
『そうやって、俺がっ…って言ってても、莉音を困らせるだけや。』
わかってる。
『自分の好きな人の好きなとこ、守ってやれや…。』
守りたい…思ってる。
『莉音は、佑斗の隣におるときの笑顔が一番幸せそうや…。
…わかってんねんやろ?』
でもそれをできるのは、佑斗だけだって。
痛いくらい…わかってるはずなのに。