溺愛彼氏×ドジな彼女
「じゃあ、俺ら…家こっちやから…」
そう言って、離れていった望たち。
俺の隣にいる莉音。
今すぐあの男の記憶を消してやりてぇ…
「莉音…」
近づける唇。
だけど俺は、唇を重ねず離れる。
莉音の体が…震えていることに気づいたから。
「…行こっか…」
そう言って歩き出そうとするが、一向に足を進めない莉音。
「莉音?」
「なんで…キスしてくれないの…?
私がっ…汚いからっ…?」
そう泣き出す莉音。
汚い…?
ただ俺は…
「莉音の体が、震えてたから…。
俺…莉音を傷つけたくねぇから…待とうって…」
「佑斗…」
「俺、莉音のこと汚いなんて思ってねぇ。
ただ…」
「ただ…?」
「…守ってやれなくて…ゴメンな…」
守るって、言ったのに決めたのに…
心から思ったのに。
結局…守れなかった
傷つけた。