溺愛彼氏×ドジな彼女
*第9章*
幼なじみ£莉音
「莉音、ちょっとえぇか?」
そう言って、私を裏庭へよんだ望。
「…どうしたの?
改まって…」
「…俺な、ずっと莉音のこと好きやったんや。」
「え…?」
望の真剣な瞳。
冗談じゃないことは、すぐに分かった。
「いつか…莉音を…佑斗クンから奪いたいって思ってたんや。
でもな…あのとき…莉音がおらんようなったって聞いて…
佑斗クン、すぐ走っていってさ。
俺なんて…どこ探せばえぇんかとか…めっちゃ動揺してたのに…。
そういうとこ見て、ホンマ…佑斗クンは、莉音のこと大切で…
大好きなんやって…思った。
…莉音が、佑斗クンとおって幸せやってことも…
今まで、見とってよぉわかった。
だから…俺、莉音のこと諦めるわ。
これからも…幼なじみとして、よろしくな。」
そう言って、手を差し伸べる望。
「…ウン。
ありがとうっ…」
涙が、出そうだったけど…泣いちゃいけない気がした。
望が…
太陽みたいな笑顔を…私に向けるから…。
私の大好きな…あの笑顔を。