VS.サンタ【短編】
サンタの第一波攻撃を退けてからおよそ三十分後、再び静寂は破られた。

ガッシャーン!

突然窓ガラスを割って何かが投げ込まれてきた。

スプレー缶のような物が転がりながら色付きの煙を吹き出している、と認識した瞬間目からは涙がこぼれだし皮膚はピリピリと痛みだす。

催涙ガスだ!

本来ならその場から脱出するべきなのだが今の僕にはそれは出来ない。

居なくなった隙にサンタがやって来て、枕元にプレゼントを置かれたら僕の負けだからだ。

僕は苦痛をこらえてガスを吹き出し続けるスプレー缶を掴むと割れた窓から外へと投げ捨てた。

受身だった第一波と違い第二波はずいぶんとアグレッシブだ。

サンタの本気が感じられる。

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