VS.サンタ【短編】
スプレー缶を外へと投げ捨てた直後、静閑な夜の住宅街に腹に響く重低音が響き渡る。

大型のアメリカンバイクがこちらへ一直線に向かって来ているようだ。

ドドドドドオォーン……

音は一旦高まり一転弱まった。

止まった?いや『跳んだ』のか!

ドガバガシャーン!

次の瞬間大型のバイクが部屋の壁をブチ破って侵入してきた。

サンタの特攻だ!

ヤツは空中にいる間にバイクから離脱。反対側の壁へぶつかりクラッシュするバイクを尻目に両足でドリフトを決め華麗に降り立った。

ヤツは赤をベースに白いボアで装飾した上下と帽子の定番のサンタスタイルに、催涙ガス対策らしき防毒マスクとなぜかマントを背中に羽織っている。

中身のわからない白い袋を背負っているし、こいつこそがプレゼントを届けにきたサンタクロースに違いない。

初めて見た。

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