距離と壁
いつもいつも僕はメンバーより早めに撮影が終わる。
その度にメンバーにからかわれる。
恋「お前、まぁた早く終わったのかよ」
俺に一番に声を掛けてきた男、神高 恋。
顔はメンバーの誰よりも整っていて周りの人を惹き付ける、スーパーアイドル。
侑「…………わりぃかよ」
夏「まぁまぁ、機嫌直せよ」
俺の機嫌が悪いと思ったのかすぐ直させようと間に入ってきた男、群青 夏貴。
メンバーの中で一番元気で20歳に見えないくらい童顔。けど、それなりに頭は良い。
侑「機嫌は悪くない。ただ…」
涼「あの子の事か?」
俺の思っている事が分かったのか、静かに俺に言ってきた男、井原 涼。
勘は鋭く、メンバーの中でも良き理解者。彼の頼りが周りの人達を安心させる。
俺は涼に言われた言葉に返す言葉が無かった為、静かに頷いた。
その姿にメンバーは気まずそうな顔をして俯いてしまった。