私をブー子と呼ばないで
「寂しくない?」

「全然」

 翔太が首を横に振る。

「ブー子にも定期的に会えてるし、わざわざ帰る必要ないじゃん」

「え?」

「仲良い友達たちと会えない状況なら、寂しいって思うかもしれないけどさ。会おうと思えば会える距離にいるから。さほど感じない。むしろ会社に近くアパートを借りられて楽だよ。ギリギリまで寝られるから」

 翔太って強いだなあ。

 私だったら無理。

 すぐに家に帰りたくなっちゃうと思う。

 自炊できないし。掃除洗濯…なんて考えると、「お母さん!」って泣きついちゃいそう。

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