私をブー子と呼ばないで
「クリスマス……プレゼント?」

 翔太がコクンと頷いた。

「なんで?」

 私、用意してない。

 ただ美味しく鍋を食べるだけだと思ってたし。

「29歳のクリスマスは特別だよ」

 翔太がにっこりと笑った。

 特別? それってどういう意味?

「実は…これもあるんだけど、受け取ってもらえる?」

 そう言って、翔太は四角い箱を前に差し出した。

 え? これって……

「指輪?」

「そ。気が早いって言われるかもしれないけど。僕はずっとその気でいたから」

「え?」

「結婚。莉子としたい」

 私は頭が真っ白になった。

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