はだかの王子さま
愛しいヒトとの甘い時間
お父さんたちが、出て行って、すぐ。
星羅は、狼の瞳を細めてにこっと笑うと言った。
「ごめん。ちょっと脱がせてね。
やっぱり、中途半端の格好だと辛いんだ」
「……えっ! う、うん」
落ち着いたら、また真衣を抱かせてね、なんて。
なんだかとんでもないことをさらっと言われ、わたしは思わず飛び上がりそうになり……ぶんぶんと頭を振った。
星羅の『抱く』えっちじゃないから!
いつもやってる、ぎゅっと抱きしめるだけだからっっ!
それ、判ってても、心臓に、悪い。
星羅が半分獣人化した鋭い爪で破かないように、自分のシャツを脱ぎだしたのをみて、どきっとした。
え~~っと。
脱ぐって、どこまで……でしょうか?
まままま、まさかっっ!
これから服を全部脱いで。
ついでに、毛皮をぱこっ☆とぬいで、そのままヒューマン・アウトするんじゃ……っ!
キレイな星羅の顔だけだって、まともに見られないのにっっ!
多分麗しい(はずの)星羅の人間のハ・ダ・カなんて、絶対、無理っ!
しかも、そのまま抱きしめられたら、きっとわたし……っ!
きゃーーーっ!
お父さん、いないし!
二人っきりだし!
無理無理無理無理!
ダメダメダメ……っ!