はだかの王子さま
　ふふふ。

　獣の姿でいる時は、猛獣、って言って良い、でっかい狼だし。

　人間の姿で居る時は、大人の男のヒト、だから。

　本当は『カッコイイ』んであって『かわいい』は、変なんだけどね。

　でも、ま、いいや。

　客観的に見ればより凶悪な、獣に見えるかもしれない。

　狼の方に近く、その姿を変えたとしても、わたしにとって、星羅は、かわいいんだもん。

　それにしても。

　獣の姿になったのは、わたしのため、なのかな？

　それとも、人間の姿でいるのが、疲れちゃったのかしら？

　背中を撫でられているうちに、眠くなっちゃったらしい。

　すー　すー

　なんて、寝息を立て始めた星羅を見ているうちに、こっちも眠くなっちゃった。


　ふぁ～～ぁ。


　なんて、大きなあくびが一つ出た、と思っているうちに。

　わたしも、また。

　いつの間にか、眠ってた。







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