はだかの王子さま

 どれくらい時間がたったんだろう。 


 ぐ~~きゅるる~~



 なんて。

 色っぽさのカケラもない音で目が覚めた。

 うん。

 これ、わたしのお腹の鳴る音。


 お、おなかへった~~


 それに、ちょっと寒いかな?


 そんな風に思いながら目を開けば、世界はもう、とっくに太陽が沈んでて。

 わたしは、ソファーベッドの端っこで、狼星羅から少し離れた所に寝てた。

 ぎゅっと抱きしめてたはずなのに、何時の間に放してしまったんだろう?

 でも、ま、いいやって深く考えず。

 一回、ころん、と転がってまた、星羅の尻尾の間に挟まろうとして、気づく。

「……星羅?
 カラダ……熱くない……?」

「~~ん?
 ~~そ~う~~?」

 わたしの声に答えて、開けた片目が、とろん、と潤んでる。

 や、やっぱり熱でもあるんじゃない!?

「えっと、星羅……熱!?
 風邪っ!?」

「違うよ、大丈夫。
 真衣には、伝染らないよ」

 そんなこと聞きたいんじゃないのよ!

「……もしかして……お父さんに噛まれたから?」
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