はだかの王子さま
 たぶん、真っ赤になっている!

 恥ずかしくて、どうしょうもなくて。

 じたばたしているわたしに、星羅は、熱で潤んだ目を細めた。

「うん、僕もお腹が減ったから、それは、僕の音だよね~~
 食材は、たっぷり冷蔵庫に入ってるって聞いてるし。
 内藤に料理のやり方を教わったから、僕が真衣に何か作ってあげるよ」

 ……えっ!

 星羅が、料理!

 星羅の住んでいる、フェアリーランドの白薔薇宮殿の地下に、厨房なんて、もちろんなく。

 ウチに来た事は、何度もあったけど、星羅が今まで、キッチンに立っているの、見たこと無い!

 なのに、わたしのために、何か作ってくれるなんて!

 思いがけないことを言われて、嬉しかったけれど。


 星羅、熱~~!


 ここはやっぱり、わたしが、なんとかしなくちゃいけないトコロだよね?

 これから、遠い未来。

 いつか、星羅と一緒に暮らす時のために、練習よ!

 うん!

 今まで、料理なんて、イッコも作ったことないけど!

 わたしは、ココロの中で強く頷くと、手を握ってにこやかに、星羅に笑って振り向いた。

「今日の夕飯は、わたしが作るね?
 星羅は、何が食べたいの?」
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