はだかの王子さま
「……あれ?
 真衣、顔が赤いよ?」

 ようやくわたしの様子に気がついたらしい。

 楽しそうに首を傾げる星羅に、わたしの顔がますます熱くなった。

「だ……誰が赤くしてると……!」

 ……思ってるんですか!

 という言葉は、かすれて、消える。

 だって隣の星羅が~~

「もう~~!
 こんなところで、ほっぺにちゅ~~とか、禁止!」

「あはは♪
 も~~ 真衣ったら可愛い過ぎ。」

 星羅は、ご機嫌に笑うと、改めてわたしの手をとった。

「今日みたいに真衣の学校が終わってから会うと、時間が短か過ぎて残念だよね?」

 だからもう、ゆっくり出来る所に移動しようか?

 なんて言う星羅の声に、わたしは、固まった。

「どうする? 真衣。
 ちょっと、ホテルを試してみる?
 それとも、僕の部屋の方が、安心するかな……?」



 ええええええっと!



「それ、どっちか、じゃないとだめ?」

 このまま放っておくと、わたしを横抱きにして、どこかに消えて行きそうだ。

 そんな勢いに、おずおずと聞けば、星羅が微笑んだ。
 
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