はだかの王子さま
『信じられません!
 体長五メートルから、ニ十メートル級の巨大な怪獣軍団が、人工島キングダム・リゾート周辺海域から突如として出現しました!
 現在、人工島付近の海域、及びその上空を、縦横無尽に泳ぎ、飛びかっています!
 今さっきの咆哮を合図に、怪獣達が更に活発化したようです!!
 まるで、映画みたいです!
 信じられません!』

 どうやらアナウンサーは、パニックになっているらしい。

 びっくりした顔で『信じられない』っていう言葉を繰り返しながら、リポートを続けてる。

 その後ろでは、少なくともニ、三十匹はいる、ウロコやら、翼やらが生えたでっかい生き物たちが、画面いっぱいに海を泳いだり、空を飛んだりしている!

 場所は、人工島キングダムリゾートが見える、ここの近所の海岸の崖っぷちだ。

 急きょ集めたらしい撮影スタッフや、中継車に囲まれて、アナウンサーが怪獣達を指差してる。

 ……って、ソレ!

 思いきり、テレビに映ってますが……!

 いいの!?


『現在の所、付近を運行する旅客機、及び、船舶に被害は無く。
 人的被害及び器物破損の報告も入っておりません。
 が、しかし!
 これらは画像に映っても、レーダー、ソナーに映らないため。
 今後、航空機、船舶への衝突など重大な事故が懸念されます……!』

 アナウンサーが、そこまでしゃべった時だった。

 その遥か上空、雲の隙間から、キラリ、と何かが光ったかと思うと。

 ぐおんと、一気に空を駆け降りて来たモノがあった。
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