はだかの王子さま
嘘つきなカラダ
……。
…………。
どこかで、誰かが、わたしを呼んでる……?
気がついたら、青い青い空の下。
淡いピンクの花が一面に咲き乱れる花園の真ん中に、わたしは座ってた。
暖かい、春の風に揺れる牡丹みたいに大きな花が、刺の無い薔薇のようなつるに幾つもついてる、今までに見たことのないほどキレイな花だ。
多分これは、夢ね。
だって、この花、わたしは一度も見たことのない花のはずなのに、ヴェリネルラって判るもの。
それに、ほら。
周りには、誰もいないのに。
なんか近い場所で、星羅の声が、わたしを探して呼んでる。
いつか、一緒に星羅の故郷に咲いているヴェリネルラを見に行こうね、って約束したし。
その時は……その。
もっとわたしが大人になって。
星羅との結婚の報告に、行くんだって言ってたし。
恥ずかしいけど……
とっても恥ずかしいけど。
わたしが、今、ここにいるっていうのは……
星羅と……その
結婚したから、って設定の夢なのかしら……?
声は聞こえてるけれど、その肝心な星羅の姿が見えなくて。
ちょっと心配になったわたしは、立ち上がろうとして、びっくりした。
優しい風にふわり、となびいたわたしの髪の色……お日様の光みたいな、金髪!?
うそ。
今まで、わたし。
いかにも日本人な、ごわごわの黒髪だったはずなのに。
えっ?と、驚いて、良く見ようと自分の髪に伸ばした自分の指……すごく白くて、長い。
えええっ!!
この分じゃ、わたし、自分の見えない所で、いろんな所、変わってるかもしれないって、こと!?