はだかの王子さま
「ハンド……!」
こんな、偽者の星羅になんて捕まりたくないよって。
思わず、ハンドの黒衣をつかんでその胸に顔をうずめれば、王さまは、怒鳴った。
『ソドニ!
水の壁を崩して蝶の上にぶちまけろ!』
『なんですって!
王よ!
そんなことをしたら、虫の羽は飛べません!
ハンドは、落ちます!
ヴェリネルラともども、海面に叩きつけられてしまうでしょう』
大きな黒竜は、あわてた声を出した。
けれども、王さまは、また怒鳴る。
『うるさい!
花(ヴェリネルラ)の命は蝶(シャドゥ・ハンド)が、わが身に変えても守るだろうよ!
娘も我から逃げた罰だ!
当分、ベッドから出られぬほど傷ついてしまえば、良いのだ。
我が自ら介抱してやるほどに……!』
王さまは、わたしが怪我をしてもいいんだって言ってる!
そして、ハンドは死んでも良いって……!?
なんてこと、いうのよ……っ!
そんなんじゃ、わたし!
ますます王さまのことを嫌いになるじゃない!
馬代わりになっているソドニでさえ『それは出来ません!』って叫んだのに!
王さまは、ぐいっと黒竜の角を強く引っ張って怒鳴った。
『早くやれ! ソドニ!!』
ガギャアウォォォオン……!!
角を触られるのが、よっぽど嫌だったのか。
でっかい黒竜は、身を震わせて、一声鳴いた次の瞬間、水の壁が崩れてきた。
きゃゃゃぁぁぁ!!
それ、は。
雨とか、バケツの水とか、学校の遠足で見た滝、とか。
わたしが、今まで見たことのある水の量をはるかに超えていた。
高層ビル群のような水の壁が揺らいだかと思うと、一粒。
軽自動車と同じ大きさはあるかもしれない、巨大な水の塊が、降ってきたんだ……!
こんな、偽者の星羅になんて捕まりたくないよって。
思わず、ハンドの黒衣をつかんでその胸に顔をうずめれば、王さまは、怒鳴った。
『ソドニ!
水の壁を崩して蝶の上にぶちまけろ!』
『なんですって!
王よ!
そんなことをしたら、虫の羽は飛べません!
ハンドは、落ちます!
ヴェリネルラともども、海面に叩きつけられてしまうでしょう』
大きな黒竜は、あわてた声を出した。
けれども、王さまは、また怒鳴る。
『うるさい!
花(ヴェリネルラ)の命は蝶(シャドゥ・ハンド)が、わが身に変えても守るだろうよ!
娘も我から逃げた罰だ!
当分、ベッドから出られぬほど傷ついてしまえば、良いのだ。
我が自ら介抱してやるほどに……!』
王さまは、わたしが怪我をしてもいいんだって言ってる!
そして、ハンドは死んでも良いって……!?
なんてこと、いうのよ……っ!
そんなんじゃ、わたし!
ますます王さまのことを嫌いになるじゃない!
馬代わりになっているソドニでさえ『それは出来ません!』って叫んだのに!
王さまは、ぐいっと黒竜の角を強く引っ張って怒鳴った。
『早くやれ! ソドニ!!』
ガギャアウォォォオン……!!
角を触られるのが、よっぽど嫌だったのか。
でっかい黒竜は、身を震わせて、一声鳴いた次の瞬間、水の壁が崩れてきた。
きゃゃゃぁぁぁ!!
それ、は。
雨とか、バケツの水とか、学校の遠足で見た滝、とか。
わたしが、今まで見たことのある水の量をはるかに超えていた。
高層ビル群のような水の壁が揺らいだかと思うと、一粒。
軽自動車と同じ大きさはあるかもしれない、巨大な水の塊が、降ってきたんだ……!