はだかの王子さま
相変わらず、竜と王さまは、ものすごい勢いで追いかけてくるけれど、星羅の炎にひるんで、速度が落ちている。
ハンドの羽も、とりあえず迷宮の入り口までもった。
けれども。
「ハンド、ハンド……!」
わたしを乾いた地面に下ろした直後、がっくりと膝をついたハンドの様子に、血の気が引いた。
虫に変わるヒトがどれだけ、水に弱いのかわかんないけど!
このまま放って置いたらダメだと思う。
もしかしたら、死んじゃうかもしれない!
だから。
わたしは。地面についたとたんに駆け寄って来てくれた星羅と美有希に助けを求めた……んだけども。
ハンドを助けて……って、振り返ったわたしの前で、星羅と美有希が固まった。
そして、びっくりした顔のまま、二人同時に声を絞り出すように、わたしに向かって聞いてきた。
慣れ親しんだ日本語じゃなく。
わざわざ、ビッグ・ワールドの言葉で。
『君は……』
『あなたは……』
『『誰……?』』
……へっ?
って、ええええええ~~っ!
美有希は、ともかく!
星羅もわたしが……判ら……ない?
どきん、と鳴った心臓と一緒に。
いつもより多く血管の中を流れる血と一緒に、涙腺が緩んで涙が出そうになった。
星羅が判らないなんて!
わたし……そんなに、いつもと外見が違うんだ……
改めて目の当たりにした事実に、とても心細くなる。
「星……羅……」
わたし、真衣だよって言いたかった言葉は、声にならなくて。
なんとか呼べた名前に、星羅が眉間に、皺を深々と寄せた。
「……真……衣?」
それでも、すぐに、星羅は気がついてくれたのだけども。
とても……とても戸惑っているらしい、星羅の声に、美有希の声がかぶさった。
『ウソ……!』
叫ぶ美有希に、ハンドが、声を振り絞る。
ハンドの羽も、とりあえず迷宮の入り口までもった。
けれども。
「ハンド、ハンド……!」
わたしを乾いた地面に下ろした直後、がっくりと膝をついたハンドの様子に、血の気が引いた。
虫に変わるヒトがどれだけ、水に弱いのかわかんないけど!
このまま放って置いたらダメだと思う。
もしかしたら、死んじゃうかもしれない!
だから。
わたしは。地面についたとたんに駆け寄って来てくれた星羅と美有希に助けを求めた……んだけども。
ハンドを助けて……って、振り返ったわたしの前で、星羅と美有希が固まった。
そして、びっくりした顔のまま、二人同時に声を絞り出すように、わたしに向かって聞いてきた。
慣れ親しんだ日本語じゃなく。
わざわざ、ビッグ・ワールドの言葉で。
『君は……』
『あなたは……』
『『誰……?』』
……へっ?
って、ええええええ~~っ!
美有希は、ともかく!
星羅もわたしが……判ら……ない?
どきん、と鳴った心臓と一緒に。
いつもより多く血管の中を流れる血と一緒に、涙腺が緩んで涙が出そうになった。
星羅が判らないなんて!
わたし……そんなに、いつもと外見が違うんだ……
改めて目の当たりにした事実に、とても心細くなる。
「星……羅……」
わたし、真衣だよって言いたかった言葉は、声にならなくて。
なんとか呼べた名前に、星羅が眉間に、皺を深々と寄せた。
「……真……衣?」
それでも、すぐに、星羅は気がついてくれたのだけども。
とても……とても戸惑っているらしい、星羅の声に、美有希の声がかぶさった。
『ウソ……!』
叫ぶ美有希に、ハンドが、声を振り絞る。