はだかの王子さま
『この……方は……真衣さま……です。
姫……内藤……真衣さまを……確かに……あなたの元へ……連れて……来……』
『だってっっ!
このヒトの顔は、真衣じゃないもの……!
あたしにだって判る、このヒトの顔立ちは、フルメタル家なんかじゃなく、もっと、もっと……!!』
『……そう、高貴な顔立ちだ!!』
星羅と、美有希が戸惑っているうちに、追いついてきた王さまが、会話に割り込んできた。
『……!』
馬代わりになっているソドニの頭を踏みつけて、ジャンプし、迷宮前の岩場に上陸した王さまを見て。
戸惑い、固まっていた星羅は夢から覚めたように、てきぱきと行動を起こした。
『ローザ! スパイダー!!』
動転している美有希を気づかせ、暗闇に待機していた賢介を呼ぶと、ハンドを担がせ、わたしに手を伸ばす。
「おいで……真衣……?」
「う……うん」
……星羅の表情、硬い。
声はすごく……優しいけど。顔、笑っているけど!!
琥珀色の瞳が、ぜんぜん笑ってなくて。
怒っているのか、それとも悲しんでいるのか。
……最近、見ない……って言うか。
十年前、はじめて出会った時に戻っちゃったみたいな寂しい光に、わたしは、いつもみたいに星羅に飛びついて行けなかった。
その場で動けないわたしのかわりに、美有希とハンドを担いだ賢介を、先に逃がした星羅自身がやってくる。
『まて、ゼギアスフェル!!』
星羅は、一度は王さまの声を無視した。
立ち尽くすわたしをさらうように、横抱きに……お姫様抱っこに抱き上げようと一瞬片膝をついた星羅に王さまが言った。
『その娘が、本当のヴェリネルラ(我が身より愛しい人)なのだな!?
それにしては、初めて見たような驚きぶりではないか?
そなたもまた『真実』を知らなかったのではないか?』
言って、王さまは舌なめずりしそうなイヤな目で星羅を見た。
『だが、もう、そなたなら『見れば判る』ハズだ!
その娘は『お前のもの』ではありえない!!!』
姫……内藤……真衣さまを……確かに……あなたの元へ……連れて……来……』
『だってっっ!
このヒトの顔は、真衣じゃないもの……!
あたしにだって判る、このヒトの顔立ちは、フルメタル家なんかじゃなく、もっと、もっと……!!』
『……そう、高貴な顔立ちだ!!』
星羅と、美有希が戸惑っているうちに、追いついてきた王さまが、会話に割り込んできた。
『……!』
馬代わりになっているソドニの頭を踏みつけて、ジャンプし、迷宮前の岩場に上陸した王さまを見て。
戸惑い、固まっていた星羅は夢から覚めたように、てきぱきと行動を起こした。
『ローザ! スパイダー!!』
動転している美有希を気づかせ、暗闇に待機していた賢介を呼ぶと、ハンドを担がせ、わたしに手を伸ばす。
「おいで……真衣……?」
「う……うん」
……星羅の表情、硬い。
声はすごく……優しいけど。顔、笑っているけど!!
琥珀色の瞳が、ぜんぜん笑ってなくて。
怒っているのか、それとも悲しんでいるのか。
……最近、見ない……って言うか。
十年前、はじめて出会った時に戻っちゃったみたいな寂しい光に、わたしは、いつもみたいに星羅に飛びついて行けなかった。
その場で動けないわたしのかわりに、美有希とハンドを担いだ賢介を、先に逃がした星羅自身がやってくる。
『まて、ゼギアスフェル!!』
星羅は、一度は王さまの声を無視した。
立ち尽くすわたしをさらうように、横抱きに……お姫様抱っこに抱き上げようと一瞬片膝をついた星羅に王さまが言った。
『その娘が、本当のヴェリネルラ(我が身より愛しい人)なのだな!?
それにしては、初めて見たような驚きぶりではないか?
そなたもまた『真実』を知らなかったのではないか?』
言って、王さまは舌なめずりしそうなイヤな目で星羅を見た。
『だが、もう、そなたなら『見れば判る』ハズだ!
その娘は『お前のもの』ではありえない!!!』