はだかの王子さま
「でも!」
なんだか、星羅に申し訳なくて。
ベッドの上でがばっと起き上がったわたしに、星羅が言った。
「……それに、今、ここで何かしたら、ゴブリン君たち見てるし」
「えっ……!」
すっかり忘れてた、二匹の存在に、改めて、部屋を見渡せば……いた。
部屋の隅で、こちら側にくるりと背を向けた小さな影、二つ。
二匹そろって、肩を震わせているあたり、とても困ってる……みたい。
と……とりあえず。
星羅がやめてくれたので、何か言った言葉の数々はともかく、変なことは……キスひとつ……してないから……セーフ、だよね?
お願い、そうだと言って……!
だなんて、思っている矢先だった。
ばったん!!
という、乱暴な音と。
『我がヴェリネルラは無事か!』
なんて、声がして、振り返れば。
ゲストルームの扉を、王さまが蹴り開けて入って来るところだった。
どうやら、長い話をいくつもしたから、思いのほか時間が過ぎてたみたいだ。
わたしたちが、二人きりで居ることに、心配になった王さまが、とうとう様子を見に来たらしい。
もし……もしも。
あれから、星羅が始めてしまえば、きっと、二人で服を脱いでいる最中だったはずだ。
そんな場面を見られたらわたし、絶対、恥ずかしくて死んじゃう。
けれども、現実は、二人特に服装に乱れはなく。
ただ、見つめ合ってるだけだったから。
いきなり入ってきた王さまが、ただ不機嫌そうに、鼻を鳴らして、聞いて来ただけだった。
『それで、我が腹違いの弟よ。
仕立て屋の真似事は、順調だろうな??』
……!
王さまは、星羅に、ウェディングドレスの採寸は終わったか? って聞いてるんだ……!
もちろん、そんなの終わってるワケがない。
だって、採寸の用意は、テーブルに並んでいるものの。
一度も物差しをわたしに当てずに、ずっと話をしてたんだもん!
なんだか、星羅に申し訳なくて。
ベッドの上でがばっと起き上がったわたしに、星羅が言った。
「……それに、今、ここで何かしたら、ゴブリン君たち見てるし」
「えっ……!」
すっかり忘れてた、二匹の存在に、改めて、部屋を見渡せば……いた。
部屋の隅で、こちら側にくるりと背を向けた小さな影、二つ。
二匹そろって、肩を震わせているあたり、とても困ってる……みたい。
と……とりあえず。
星羅がやめてくれたので、何か言った言葉の数々はともかく、変なことは……キスひとつ……してないから……セーフ、だよね?
お願い、そうだと言って……!
だなんて、思っている矢先だった。
ばったん!!
という、乱暴な音と。
『我がヴェリネルラは無事か!』
なんて、声がして、振り返れば。
ゲストルームの扉を、王さまが蹴り開けて入って来るところだった。
どうやら、長い話をいくつもしたから、思いのほか時間が過ぎてたみたいだ。
わたしたちが、二人きりで居ることに、心配になった王さまが、とうとう様子を見に来たらしい。
もし……もしも。
あれから、星羅が始めてしまえば、きっと、二人で服を脱いでいる最中だったはずだ。
そんな場面を見られたらわたし、絶対、恥ずかしくて死んじゃう。
けれども、現実は、二人特に服装に乱れはなく。
ただ、見つめ合ってるだけだったから。
いきなり入ってきた王さまが、ただ不機嫌そうに、鼻を鳴らして、聞いて来ただけだった。
『それで、我が腹違いの弟よ。
仕立て屋の真似事は、順調だろうな??』
……!
王さまは、星羅に、ウェディングドレスの採寸は終わったか? って聞いてるんだ……!
もちろん、そんなの終わってるワケがない。
だって、採寸の用意は、テーブルに並んでいるものの。
一度も物差しをわたしに当てずに、ずっと話をしてたんだもん!