はだかの王子さま
きゃーーーっ!!
星羅、星羅……!
王さま、やめてぇぇぇ!!!
……ざく。
わたしは、やめてって叫んだのに!
王さまは、わたしが本当に嫌がることはしないって言ったのに!!
王さまは、容赦なく星羅の手の甲を刺し貫き。
そのまま虫の標本みたいに、大扉の縁を飾る模様の上に刺し止める。
「……!」
星羅の手……!
肉が裂けて血が出てるだけじゃない。
絶対骨も砕かれてる……!
叫び声は聞こえなかった。
けれど、痛そうで見てらんない……!。
中途半端なところで、星羅の手は扉に縫いとめられ。
流れる血が、扉の縁飾りの中に飲み込まれるように消えていく。
星羅は、膝を地面につくこともできず、扉の縁を抱きしめるように、身体を支えてる。
王さまは、その様子を鼻で笑うと、自分の腰から短剣を引き抜き、扉の向こうの端まで移動し……
今度は自分で自分の左手のひらに刃を押し当て、十字に切り裂いた、
そして、血まみれになった手を扉の縁飾りの上に押し当てる。
『門番! 準備は良いぞ、鍵を開けよ!!』
かすかに血の匂いがする中で王の怒鳴り声を聞いた美有希は、気丈に頷いた。
扉の中央にある鍵穴に進み、手に持った鍵の束から、一本を取り出し、鍵穴へ差し込み、ひねった。
カチリ
乾いた音を響かせた次の瞬間。
扉に隙間の真ん中と上下から眩しい光が漏れて来たんだ……!
そして、風が。
ゆっくりと、両開きの扉を、ビッグワールド側に向かって、押し開いて行く。
風?
ううん、これはきっと万能エネルギー『グラウェ』の流れ。
だって、扉の縁にいる、星羅と王さまのマントは、なびいてないし。
パレードの旗も元気がない。
ただ、全身をなでるようにビッグワールドに向かって、何かがなだれ込む感じがした。
多いほうから少ないほうへ流れてゆくのは、グラウェも同じ?
その力で、ヒトの何倍あるのか判らない、とんでもなく大きな扉が開くんだ!!
ギギキ……みたいなきしむ音はなかった。
かわりに、扉が開いてゆくにつれ、辺りに、光が満ちた。
星羅、星羅……!
王さま、やめてぇぇぇ!!!
……ざく。
わたしは、やめてって叫んだのに!
王さまは、わたしが本当に嫌がることはしないって言ったのに!!
王さまは、容赦なく星羅の手の甲を刺し貫き。
そのまま虫の標本みたいに、大扉の縁を飾る模様の上に刺し止める。
「……!」
星羅の手……!
肉が裂けて血が出てるだけじゃない。
絶対骨も砕かれてる……!
叫び声は聞こえなかった。
けれど、痛そうで見てらんない……!。
中途半端なところで、星羅の手は扉に縫いとめられ。
流れる血が、扉の縁飾りの中に飲み込まれるように消えていく。
星羅は、膝を地面につくこともできず、扉の縁を抱きしめるように、身体を支えてる。
王さまは、その様子を鼻で笑うと、自分の腰から短剣を引き抜き、扉の向こうの端まで移動し……
今度は自分で自分の左手のひらに刃を押し当て、十字に切り裂いた、
そして、血まみれになった手を扉の縁飾りの上に押し当てる。
『門番! 準備は良いぞ、鍵を開けよ!!』
かすかに血の匂いがする中で王の怒鳴り声を聞いた美有希は、気丈に頷いた。
扉の中央にある鍵穴に進み、手に持った鍵の束から、一本を取り出し、鍵穴へ差し込み、ひねった。
カチリ
乾いた音を響かせた次の瞬間。
扉に隙間の真ん中と上下から眩しい光が漏れて来たんだ……!
そして、風が。
ゆっくりと、両開きの扉を、ビッグワールド側に向かって、押し開いて行く。
風?
ううん、これはきっと万能エネルギー『グラウェ』の流れ。
だって、扉の縁にいる、星羅と王さまのマントは、なびいてないし。
パレードの旗も元気がない。
ただ、全身をなでるようにビッグワールドに向かって、何かがなだれ込む感じがした。
多いほうから少ないほうへ流れてゆくのは、グラウェも同じ?
その力で、ヒトの何倍あるのか判らない、とんでもなく大きな扉が開くんだ!!
ギギキ……みたいなきしむ音はなかった。
かわりに、扉が開いてゆくにつれ、辺りに、光が満ちた。