はだかの王子さま
だって、今の状態で、全く困ってないんだもん。
どうしても、なんかくれる、って言われて、欲しいものを思い浮かべても。
せいぜい、星羅と一緒に暮らせる場所、ぐらいだけど。
これだって、白薔薇宮殿の地下に、星羅の部屋がある以上、ねぇ。
地下だから、お日様の光は入って来ないけど、季節なんて関係なく快適な気温と湿度が保たれているし。
趣味の良い家具が揃ってて、キレイだし、なんと言っても静かで、居心地がイイ。
毎日のご飯は、お父さんが作ってくれてて、美味しいし。
いざとなったら、フツーのファミレスの食事でも、コンビニのお弁当でも問題ない。
普段着る服も、困ってない上。特別な服が欲しかったら、星羅に頼めばいい。
あっという間に、とてもキレイなヤツを喜んで作ってくれるにちがいない。
だから。
『やっぱり、わたし。世界、なんていらない』
このまま、何もせず。
ベッドを元に戻して帰ってくれると助かるんだけど……って。
試しに言ってみたら、剣に目を見開かれた。
『なんと、無欲な。
衣食住にこと足りても、他に望みは無いのか?
例えば、あなたの行く手を阻む、憎むべき相手を排除する、とか』
排除、ってやっぱり殺しちゃうんだろうな。
行く手を阻む、って所で、思わずちらっとビッグワールド王を見ちゃったけれど、特に言わないでおいといた。
ヒトの話なんて聞いちゃくれないし。
これからつきまとわないでくれれば、嬉しいけれど。
死ねばいいのに、なんて思うほど悪い人じゃない、と思う……多分。
だから。
『排除なんて、しなきゃいけない人も居ないし』
『では、この世界を、あなたの望みのままに、作り変えてみようとは思わぬか?』
そう、言われてうーーーんと考える。
社会の授業で、習ったし。
テレビのニュースでも時々聞くから本当は、知ってる。
こちらの世界に住んでいるヒトビトが、実は、平等じゃないって言うコト。
『何か欲しいものはないか?』って聞かれて『無い』なんて言えるヒトは少なく。
世界のどこかでは、飢えている人がいて。
争いの銃弾に撃たれて命を落とすヒトだっている。
どうしても、なんかくれる、って言われて、欲しいものを思い浮かべても。
せいぜい、星羅と一緒に暮らせる場所、ぐらいだけど。
これだって、白薔薇宮殿の地下に、星羅の部屋がある以上、ねぇ。
地下だから、お日様の光は入って来ないけど、季節なんて関係なく快適な気温と湿度が保たれているし。
趣味の良い家具が揃ってて、キレイだし、なんと言っても静かで、居心地がイイ。
毎日のご飯は、お父さんが作ってくれてて、美味しいし。
いざとなったら、フツーのファミレスの食事でも、コンビニのお弁当でも問題ない。
普段着る服も、困ってない上。特別な服が欲しかったら、星羅に頼めばいい。
あっという間に、とてもキレイなヤツを喜んで作ってくれるにちがいない。
だから。
『やっぱり、わたし。世界、なんていらない』
このまま、何もせず。
ベッドを元に戻して帰ってくれると助かるんだけど……って。
試しに言ってみたら、剣に目を見開かれた。
『なんと、無欲な。
衣食住にこと足りても、他に望みは無いのか?
例えば、あなたの行く手を阻む、憎むべき相手を排除する、とか』
排除、ってやっぱり殺しちゃうんだろうな。
行く手を阻む、って所で、思わずちらっとビッグワールド王を見ちゃったけれど、特に言わないでおいといた。
ヒトの話なんて聞いちゃくれないし。
これからつきまとわないでくれれば、嬉しいけれど。
死ねばいいのに、なんて思うほど悪い人じゃない、と思う……多分。
だから。
『排除なんて、しなきゃいけない人も居ないし』
『では、この世界を、あなたの望みのままに、作り変えてみようとは思わぬか?』
そう、言われてうーーーんと考える。
社会の授業で、習ったし。
テレビのニュースでも時々聞くから本当は、知ってる。
こちらの世界に住んでいるヒトビトが、実は、平等じゃないって言うコト。
『何か欲しいものはないか?』って聞かれて『無い』なんて言えるヒトは少なく。
世界のどこかでは、飢えている人がいて。
争いの銃弾に撃たれて命を落とすヒトだっている。