はだかの王子さま
 思わず、小声で叫んだわたしに、星羅は、にこっと、嬉しそうに微笑んだ。

 あう……

 なんか、わたし、負けた気分。

 諦めて、大人しく星羅の隣に収まったわたしに、星羅は真顔で言った。

「真衣って、可愛いね」

「……本気で言ってる?」

 超~~イケメンの星羅に、そう、手放しで誉められるのは、嬉しいけど……ね?

 わたしだって、身の程ってヤツを知ってる。

 漫画の主人公なら、メガネを取ると、超美人になる所だろうけど。

 わたしの場合は、とってキレイになるメガネなんてないし。

 髪のみつあみを取っても……せいぜい、十人並みって所だ。

 あ~~あ。

 なんで、わたし、美人じゃ無いんだろ?

 ウチは、お父さんもイケメンだし。

 わたしが生まれるときに死んでしまった、写真の中で笑ってるお母さんも、美人だ。

 ど~考えても、わたしは、二人の悪い所だけ、似て来たみたいだ。


 なんて。

 わたしは、こっそりため息をついたのに。

 星羅は、わたしの手を取ったままで言った。

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