はだかの王子さま
 
 うう。

 やっぱり緊張する。

 星羅は髪を乾かし、お父さんの新しいTシャツと、洗いたてのジーパンを、自分のものみたいに着こなした。

 お父さんも、大概二十代後半に見られるイケメンで、おしゃれだけど。

 星羅は、もっとカッコ良すぎて、どうしょう!

 隣に座った彼をまともに見られない。

 それでもなんとか、食事を終わらせ、席を立ったら、お父さんに止められた。

「どうした、真衣?
 今朝は、いつもの半分も食べてないじゃないか?」


 そんなこと言ったって!


「そ、そうだっけ?」

 口の中で、もごもご呟けば、星羅まで!

「どうしたの?
 調子悪い? 風邪?」

 そんな、心配そうな声に『人間型(ヒューマンタイプ)のあなたの姿に、照れてご飯も喉に通りません』とは言えず。

「ううん、そんなことないよ」

 ……って、ごまかして、一刻も早く席を立とうとすれば。

 星羅がまた、パシッと軽い音を立てて、わたしの手を握った。

「だったら、もう少しご飯食べよ?
 僕は、今の真衣でも、もちろん素敵だと思うけど。
 も少し太ったなら、なおさら萌えるよね」

 うぁ……

 マジで、萌える、とか言わないでよ~~

 照~れ~る~~

 ……っていうか。

 わたし、特に美人じゃないってこと、星羅は、判ってるのかな?
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