はだかの王子さま
「……た、多分、浮気を勧めるつもりじゃない……って思いたい」
星羅が、ナルシストではありえない。
ここで、いきなり美男になったけど、それに酔ってる感じはちっとも無かったし。
びっくりしたわたしが引き気味なので、かえって困ってたぐらいだ。
そんなモノより……大事な時に、わたしに男友達を勧めるなんて!
新しい彼女&浮気の線が一番ありそうで。
そっちの方がショックで。
出がけに、星羅の話もロクロク聞かずに、飛びたしちゃったけれど……
深く考える間もなく、美有希は、ぐいっと、わたしに近づいた。
「桜路さんの職場へ、遊びに行っちゃえ!」
「……え?」
「真衣って、桜路さんにベタ惚れじゃん?
まだ会ったことは無いけど。
桜路さん自身も、スッゴくかっこいいんでしょ?
ちょっとぐらい変なコトを言っても、真衣は離れて行かないって思いこんでるんじゃない?」
「う~~ん。そ……そうかなぁ」
「絶対、そうよ!
だから、四月三十日の真衣の誕生日。
本当に男子と一緒にフェアリーランドに遊びに行って、桜路さんをあわてさせちゃえばいいのよ!」