こおにの手紙
こおに、手紙を書く
「あった、あった」
宝物入れの缶から出てきたのは、真っ青な包み紙です。まるで海のように深い青色が気に入って、取っておいたものです。
「みえちゃんのためだもん。これを使おう」
次に、転がっていた小石をひろって、頭の一本角をけずります。
子供のおにに生えている角はロウのようにやわらかく、簡単にけずることができるのです。
子おにはそれにブナの樹液を少しまぜて、白い絵の具を作りました。
その絵の具を先のとがった小枝につけて、青い包み紙の上に白い文字を書きます。
読み書きの苦手な子おには、何度も休けいしながら、少しずつ、いっしょうけんめい手紙を書いていきました。