俺の日常は、ある日を境に変わってしまった
床に落ちていたーー失礼ーー置かれていた、彼女らの物と思われる衣服を双子に持たせ、
「そんじゃ」
そのまま廊下につまみ出した。
一応、施錠もしておこう。
「やれやれ……どうしてこう、イタズラ(?)好きなのかな?あの二人は」
廊下が静かになったのを確認した俺は、一度伸びをした後に衣装棚ーークローゼットともいうーーを全開にする。
そこには数多くのコートやジャケットが、所狭しと掛けられているーー
ワケでもなく、どちらかと言えば少な過ぎると言っても過言ではないそれらの中から、お目当ての“制服”を取り出した。
黒をベースに赤のラインのブレザーと、同じく黒のズボンといった、至ってシンプルな色合いの制服である。
俺はそれらを手に、急ぎ洗面所へと向かった。
……………。
「「遅いぞ(よ)兄さん(お兄ちゃん)」」
寝癖だらけの髪を整えるのに悪戦苦闘していた為、その結果予想よりも十分オーバーしてしまった。