俺の日常は、ある日を境に変わってしまった
“自分たちは関係ない”みたいな顔の二人をジト目で睨むが、それすらもスルーされ、最早ツッコム気力さえなくなった俺……

ため息を吐いて、視線を双子から前へと戻しーー

「……!……!!」

「……………」

通りにあった一つの自販機とーーその下に出来た隙間に、懸命に手指を伸ばす女子生徒を見つけてしまった。

「ん~……!あと、少し……!!」

っていうか、クラスメイトだった。

「よう、綾瀬。朝から異世界への扉探しか?」

「……その声は、チーちゃん……?朝から、何、おかしな事、言う……?」

視線だけを俺に向けて、何言ってんのコイツ?みたいな事を言われた。

チーちゃんね、ちょっとカチンときた。

「チーちゃん言うな……あと、朝から人の目も気にせず自販機の下に手突っ込んでるお前に、おかしな奴呼ばわりされる筋合いはない」

俺からすれば、今のお前の方がおかしな奴だと思うが?

「「お兄ちゃん、この人だれ?」」

「ん?ああ……お前らは、直接会ったことなかったな?」

悪戦苦闘する綾瀬を横目に、俺は彼女のことを簡潔に説明した。
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