最弱暴走族と桜【完】SS更新中!


「尚ー」

「桃李?どうしたんだ、さっき“ねぇちゃんが帰ってきてるからもう帰る!”って帰ったのに」


おい、桃李。姉(あたし)がいるのばれてるじゃん。
お兄さん、もとい尚さんがいたのは奥の個室で、その部屋に居たのは尚さんともう一人、あの喧嘩に巻き込まれた男の子だった。


「あー、ちょっと尚に聞きたい事があって。」

「ん?まあ、座れよ」

「おう」


尚さんともう一人の男の子は顔や服の隙間から見える所を手当てしているのが見えた。


「…桃李、後ろの誰?」

「気にするな、」


歯切れ悪いなー。まぁ、仕方ないけど。
桃李がソファーに座ったので桃李の後ろにいたあたしが見えたらしい。

二人揃って首を傾げるが桃李が気にするなと手を振る。


「それで聞きたい事って?」

「あー、尚と相汰ってさ。自分で喧嘩して何時もみたいに負けたんだよな?」

「そーだよ、何時もみたいに負けましたよーっ」


男の子は相汰(ソウタ)と言うらしい。
相汰くん(年下に見えるから、きっと童顔)は拗ねたように口を尖らせる。


「そうだよなー。可愛い可愛い女の子なんか守ってないよなー」


桃李がそう言った瞬間、尚さんと相汰くんの肩がビクンと跳ねた。それを見逃すあたしじゃない。
桃李は?と顔を覗いた瞬間、部屋のドアがノックされた。


「桃李ー?飲みモン持って来たけどー」

「おう、悪ぃーな」


あたしがドアに近かったのであたしが受け取る。飲み物は四つあって、桃李に渡すとあたしはオレンジジュースを渡された。


『ありがとう』

「ん、」


桃李はと言うと、グラスの中身が黒かったのできっとコーラ(桃李はコーヒーは飲めないから)。尚さんと相汰くんには色からしてお酒。


「で、話を戻して。守ったんだ?」

「……いや、別に」


…桃李ってさ、鋼牙の陰の総長じゃないの?総長が誰か知らないけど。
何か尚さんの方が年上なのに押されてる。



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