最弱暴走族と桜【完】SS更新中!










「……何事?」


家の用事でたった今溜まり場に来た尚人は、顔を真っ赤にしてぶっ倒れているメンバーに目を丸くした。


『あ、尚さん。』

「………桜さん、何ですかソレ。」

『相汰がくれた。』

「……(ああ、成る程。)」


妙に機嫌のいい猫耳を付けた桜と、カウンターに顔を伏せている大和と桃李。

それらを見て何があったか、何となく察した尚人は、ため息を一つ吐いた。


『尚さん、尚さん。』

「何ですか?」

『お菓子をくれなきゃ悪戯するニャン!』

「………。」


メンバー全員を手を使わずぶっ倒したセリフに尚人は、無言で持っていた紙袋の中を漁る。

そして、桜の手の上にポンっと。


「はい、どうぞ。」

『……、…!』


少しショックを受けた桜だった。





―――――――――
尚人が桜にあげたのは家にあった、クッキーの詰め合わせ。



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