最弱暴走族と桜【完】SS更新中!


「ん…?何だこの音」


暫くして微かに遠くから聞こえてくる鈍い音。

それは次第に大きくなって…。


「来たぞ」


大和さんの声と共に姿を表した沢山の音と光。


「…すっげぇ…」


爆音を響かせながら数えきれない程のバイクが走り抜けてくる。


「華龍だ!!」


誰が叫んだ。


「大和さん…、あれ…」

「毎年クリスマスイヴは何処の族も暴走するんだよ。華龍もな」

「でもこの辺りで暴走なんて…」


一度も見たことない。と続ける前に、また誰が叫んだ。


「血桜だ!」


白い特効服に身を包み人一倍存在感を持つあの人の姿は目に焼き付いた。


「彼女のいない寂しいお前らにクリスマスプレゼントだとよ」

「……大和さん、フラれたん…イテッ」

「…頼まれただけだ」


打たれた所を擦りながら、笑う。

今年は今までの中で最高のクリスマスになった。


MerryChristmas!



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