最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
その三。
「~っ、桜の馬鹿…」
『悪い、やりすぎた』
ソファーに座っているあたしの膝の上で横になってる大和。
頬が腫れてたり若干ボロボロなのは制裁に歯止めが利かなくなってやりすぎたから。
少し跳ねてるがサラサラなキャラメル色の髪を撫でると、大和は顔の上に置いていた腕をあたしの腰にまわして腹に顔を埋めた。
『大和?』
「ん~」
全然変わってない大和はやっぱり子供っぽい。
「…桜姉、大和?ちょっと話いい?」
「良くねぇ」
「大和!お前は、俺の桜姉にべたべたし過ぎなんだよ!!離れろ!桜姉も!!」
『え、でも、ちょっとやりすぎたし…?』
桃李がやきになって大和を離そうとしている中、尚さん達は固まっていた。
「あの、大和が…」
「クールで無口な総長が…」
「女を一切寄せ付けない大和さんが…」
「「血桜さんに甘えてる!!?」」
そんなに珍しいか。
口をそろえて言った皆にあたしは心の中で思った。
「で、何で桜が此処にいるんだ?華龍は?」
「え、大和。桜姉が華龍の総長だって知ってんの?何で?」
「俺等付き合ってたから。そう言えば、総長になったのか?」
『うん。血桜って、通り名』
あたしが大和と付き合ってたのは、中学の時。
別れた理由は、別に嫌いになったとかあたしが華龍に入ったとかじゃなくて、ただ自然に大和の受験とか引っ越しとか。
もう、傍にいられないんなら別れた方が色々自分達の為になるとかで。
付き合ってた頃は大和はチームとか入ってなくて、一匹狼だった。
それなりに喧嘩は強かった。
そこまで考えて疑問が浮かんだ。けど、桃李に邪魔された。
「ちょっと待って!桜姉、大和と付き合ってたの?!何時!?」
『中学ン時』
そう言えばあたしは中学受験して県外に行った桃李は知らないんだ。