最弱暴走族と桜【完】SS更新中!


「え、じゃあ、大和がこっちに引っ越して来た時は?」

「もう、別れてたな」

「「へ~」」


なんか納得してる、正座をした不良達。
大和が甘えてる理由が分かってもう良いらしい。


『大和ってさ、喧嘩出来るよね?』

「ん」

『なんとかっていうチームが言ってたけど、鋼牙って最弱暴走族なんだって?どう言う事?』


桃李がなんか納得して無かったけど、あたしが聞きたかった事を言う。


「俺が喧嘩しないからだろ?」

『何で』

「だって、眠いし」

『おい』


理由が軽すぎ。何、眠たいからって。
呆れる。じゃあなんで総長になったの?

そう聞けば「わかんねぇ」だって。


『尚さんー…?』

「え…、あぁ、大和が総長になった事ですか?俺が高校が同じで喧嘩がそれなりに強いって本人から聞いたからです。当時、鋼牙に総長がいなかったから。相汰達は俺でも良いって言うけど俺は弱いし。だからですね」

『尚さん…』


ダメだよ、尚さん。大和は連帯行動が苦手なのに。


『反対する人はいなかった?』

「居ましたよ?けど、丁度“剣羅(ケンラ)”っていうチームが攻めて来て、それを大和が一人でぶっ潰したら全員大和になつきました」

『…なつかれたの、大和』


笑顔でその時の事を説明する尚さんはまぶしかった。うん。


「もう、犬みたいだった」

『あぁ、そう』


あたしも強くしてくれって頼まれた時、不良達の方に耳と尻尾が生えてた気がする。


「総長!俺等、血桜さんに、お願いしたんですっ!!」

「は…?なんて?」

「「俺等を強くしてくださいって!!」」


―――…ズル

――――…ドスン



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