最弱暴走族と桜【完】SS更新中!
不良全員が満面の笑みでそれこそ尻尾を思いっきり振る勢いで声に出した瞬間。
大和が膝の上から
落ちた。
「え、総長ぉお!!?」
「どうしたんスか?!さっきからキャラが崩れてま、ゲフッ」
「黙れ」
慌てて側に来た一人を大和は倒れたままでアイアンクローをした。
器用だね、大和。
「頼まれたのか?」
『うん。でも、もしするにしても総長の許可がいるでしょ?だから総長は?って聞いたら大和が総長だった、みたいな』
「……」
「大和?」
急に喋らなくなった大和を不思議に思って尚さんが声をかける。
そうすれば大和は顔を青くしてその場に胡坐をかいた。
「全員で頼んだのか」
「「はい!」」
「止めとけ」
「「は……はい?」」
『ん?何で?』
するしないにしても何でそんなに青くなる必要がある?
「稽古中に死んだらシャレにならねぇ」
『どう言う意味かな、大和くん?』
ムカついたので、一発殴っておいた。暫らく悶えてから顔を上げる大和。
「だって、たまにかかってくるぞ?飛鳥から。“桜に殺されるーッ!!大和、助けてッ”って。普通に眠いからブチ切りするけど」
『ほう、飛鳥ね。通り名考えたのもあいつだな』
「(あ、やべ。悪い飛鳥、お前に死亡フラグたったかも)」
飛鳥ってのは馬鹿幹部の一人のお調子者だ。うっとうしい事この上ない。
華龍の溜まり場でくしゃみを三連発した飛鳥くん。
「あれ、何か寒気が」
「大和に助けを求めたのと通り名考えた事、桜にばれたんじゃね?」
「まっさか!そんな事があったら俺、マジで桜に殺されるって」
仲間の言う通りになるまであと一週間。